埼玉県さいたま市で「浦和絵描き」作品展、うらわ美術館で6月21日まで開催
「浦和絵描き」作品展、うらわ美術館で6月21日まで

さいたま市内の公共施設や個人宅に飾られている地元ゆかりの芸術家の作品を集めた企画展「とっておきをひらく-さいたまをめぐる美術」が、うらわ美術館(同市浦和区)で開かれている。地域で受け継がれ、市民の日常を彩ってきた絵画をまとめて鑑賞できる貴重な機会となっている。

「浦和絵描き」と呼ばれた洋画家たち

明治以降、浦和には多くの洋画家が集まって暮らしていた。関東大震災で住居を失った画家らが加わった昭和初期には40人を超え、「浦和絵描き」などと呼ばれるようになった。学芸員の松原知子さんによると、県庁所在地で洋風な建物が多いのに、自然に近い土地柄が創作環境として魅力だったことが一因だという。

展示作品の見どころ

今回はこのうち25人について、約20の団体・個人が所蔵する作品と、美術館の所蔵品とで計約120点を展示。「県庁」「浦和高校」など普段設置されている場所ごとに作品を配置し、地域とのつながりに関する解説などを添えた。

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浦和で生涯を過ごした洋画家、高田誠の「山村五月」は、日ごろは県庁内の知事室に飾られている風景画で、今回の展示作品の一つだ。ピンクや黄緑など明るい色のドットで描かれた山並みが目を引く。高田の作品は、さいたま市役所の玄関やJR浦和駅前の「浦和コルソ」のモザイク壁画などにもあしらわれている。

群馬の自然を描いた四万田草炎(よもだそうえん)の「碓氷 霧積」は普段は「うらわのうなぎ萬店(まんだな)」(同市南区)の客席に飾られ、掛け軸のような形式の田中保(やすし)の「月光」は岩槻区役所内にある。浦和橋や競馬場など、地元の風景をモチーフにした作品も並ぶ。

松原さんは「絵に描かれた場所はどう変わったのか、絵が飾られていた場所が現在はどうなっているのかなど、多元的な楽しみ方ができるのが特徴」と話す。

初公開の所蔵品も

初公開となる所蔵品も見どころだ。その一つが、川越出身の近藤洋二の「那須高原」。川越の町雑誌「小江戸ものがたり」を編集する藤井美登利さんが遺族と美術館をつなぎ、5年前に寄贈された作品の一つ。専門家による修復を終え、披露されることになった。

松原さんは「地域にとっての『とっておき』を、美術館でじっくり鑑賞してほしい」と呼びかける。

開催概要

6月21日まで。午前10時~午後5時(金、土は午後8時)、月曜休館。料金は一般900円など。6月12日午後6時からは学芸員のギャラリートーク(申し込み不要)がある。問い合わせはうらわ美術館=電048(827)3215=へ。

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