自民、防衛費増の数値目標示さず「政府の手足縛る」 安保3文書提言
自民、防衛費増の数値目標示さず 安保3文書提言

自民党の安全保障調査会は25日の全体会合で、政府が年内に予定する安全保障関連3文書の改定に向けた提言案を了承した。防衛費については、北大西洋条約機構加盟国などの事例を挙げ、「防衛力強化とその裏付けとなる予算を確保し、5年以内に防衛力の変革を成し遂げるべきだ」と強調した。6月にも政府へ提言を提出する予定だ。

防衛費の数値目標は明示せず

提言案では、防衛費の増額必要性を強くにじませたものの、具体的な国内総生産比の数値目標や財源については明記しなかった。トランプ米政権が同盟国に対してGDP比3.5%、関連経費を含めて5%の防衛費水準を求めており、表現が焦点となっていた。提言案では、韓国がGDP比3.5%を掲げ、NATO加盟国が関連経費を含めて5%としていることを例示し、「自国を守る覚悟のない国を助ける国はない」と強調。必要な経費を積み上げ、「財源の確保とあわせて、国民に対して丁寧に説明し理解を得る必要がある」とした。

非核三原則の見直しには触れず

高市早苗首相の持論である非核三原則の見直しについては、提言では触れられなかった。関係者によると、党内の会合でも一度も議題に上がらなかったという。敵基地攻撃能力を持つミサイル垂直発射装置搭載の潜水艦の保有については、「次世代の動力の活用を含め、速やかに検討すべきだ」とし、原子力潜水艦の保有には言及しなかった。

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継戦能力の確保と自衛官定員の見直し

提言では、ロシアのウクライナ侵略などで「新しい戦い方」への適応が求められているとして、「少なくとも年単位での継戦能力を確保しておくことが必要」とした。また、定員割れが続く自衛官の定数については、「組織定員や装備品のあり方など戦力そのものを見直すことが不可欠」と指摘。各地にある自衛隊の中間司令部についても数を減らすべきとの考えを示した。

党内で割れた意見

防衛費の数値目標や財源をめぐっては、自民党内でも意見が割れた。一部からは「数字できっちり示すべきだ」「増税も言うべきだ」との声が上がった一方、慎重な立場から「政府の手足を縛る」との反対意見も出た。最終的には具体的な数値目標を盛り込まず、財源についても踏み込まない形で決着した。提言は今後、政府に提出され、年内の3文書改定に向けた議論に反映される見通しだ。

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