加速する学校統廃合の行方 専門家が提案する「二極化」への備え
加速する学校統廃合の行方 専門家が提案する「二極化」への備え

文部科学省が公立小中学校の統廃合に関する手引を初めて改訂し、深刻化する少子化への対応を促している。子どもたちが激減する時代に、学校配置と教育体制はどうあるべきか。葉養正明・東京学芸大名誉教授(教育政策)に聞いた。

統廃合の現状と課題

文科省は2015年に学校統廃合の手引を作成した。これまでの状況について、葉養氏は「学校同士が近くにあり通学が容易な地域や、住民の反対が少ない地域では統廃合が進んだ。一方、主に町村部で小学校と中学校がそれぞれ1校のみの自治体が増え、これ以上統廃合が難しい地域も目立つ」と指摘する。

文科省はさらなる後押しが必要と判断し、今回の改訂に踏み切った。小規模校では集団学習の機会不足や教員の負担増などの課題が顕在化している。

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二極化への備え

葉養氏は「統廃合が進む地域と、小規模校を維持せざるを得ない地域の二極化が進む」と予測する。その上で、「それぞれの地域の実情に応じた柔軟な対応が必要だ。例えば、過疎地では複式学級の活用やICTを活用した遠隔授業の導入、都市部では大規模校の適正規模化を図るべき」と提案する。

小規模校のメリットとデメリット

小規模校には、きめ細かな指導が可能で、児童生徒同士の絆が深まるといったメリットがある。一方で、集団活動の制限や、教員の教科指導の専門性が発揮しにくいなどのデメリットも存在する。葉養氏は「小規模校の良さを生かしつつ、デメリットを補う方策を考える必要がある」と強調する。

地域コミュニティとの関係

学校は地域コミュニティの核でもある。統廃合により学校がなくなると、地域の活力低下につながる懸念がある。葉養氏は「統廃合の検討に当たっては、地域住民の意見を十分に聞き、合意形成を図ることが重要だ。単なるコスト削減ではなく、子どもたちの教育環境と地域の未来を総合的に考えるべき」と述べた。

文科省の改訂手引では、統廃合の検討に当たり、保護者や地域住民への丁寧な説明や、統廃合後の学校運営の在り方についても言及している。今後の動向が注目される。

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