神奈川県鎌倉市は、バス便の削減などで市民の移動に不便が生じている問題に対応するため、「公共ライドシェア」の実証実験に乗り出す方針を固めた。市が運行の主体となり、事前に登録された自家用車などを活用して市民の足を確保する試みとなる。6月に開会する市議会で関連の補正予算案が承認されれば、年内の実験開始を目指す。
約4500万円の補正予算案を提出
市は、運行システムの構築や実験の運用経費として、約4500万円の補正予算案を議会に提出する。実験の具体的な内容は今後詰められるが、JR大船駅周辺と、市内でも高低差が大きく「移動困難地域」とされる西鎌倉地区において、公共ライドシェアに登録した車両を呼び出す仕組みを想定している。
松尾市長、背景を説明
松尾崇市長は25日の記者会見で、これまで補助金によるバス増便も模索したものの、バス会社との折り合いがつかなかったと説明。その上で、公共ライドシェアは新たな車両を必要とせず、地域住民の理解も得られたことから、この方式を選択したと述べた。
バス運転士不足で減便・終バス繰り上げ
鎌倉市内では、バス運転士の不足などを背景に、バスの減便や最終便の時間繰り上げが進行している。市のまとめによると、大船駅から住宅街の鎌倉山に向かうバス路線では、2023年の平日1日あたり平均39本だった運行本数が、現在は同17本にまで減少。また、大船駅発の終バスは午後10時20分から午後9時に繰り上げられた。
夜間のタクシー不足も深刻
夜間時間帯はタクシーも不足しており、大船駅で市が実施した調査では、午前0時ごろにタクシーを利用する場合、乗車までに約45分かかる状況であることが判明している。



