横浜市中区の山下ふ頭再開発を巡り、市民と共に未来像を考える催しが26日、神奈川区で開催された。講演した神奈川大学名誉教授(地方自治)の幸田雅治氏は、横浜市が3月に公表した事業計画案が「民設民営を基本」としている点を批判し、「ふ頭は市有地であり、民間に丸投げするのではなく、行政の役割を明確にし、どのような社会的価値を創出するかを市民と議論すべきだ」と強調した。
検討委員会の答申に「民設民営」の記載なし
幸田氏は2023~24年度、市の「再開発検討委員会」委員を務めた。同委員会がまとめた答申には「民設民営」の文言はなく、市民との議論を経ずに公共性が十分に反映されていないと指摘。「市民の宝である場所を金儲けの手段にしてはならない」と述べ、市に計画案の撤回を求めた。
計画案の目指す方向性に疑問
計画案では「土地利用の考え方」として、「イノベーションと環境価値を創出する空間・機能」「にぎわいを創出する空間・機能」を掲げている。しかし幸田氏は取材に対し、「現在および将来の市民のための空間が求められているにもかかわらず、民間事業者が短期的利益の最大化を目指す方向に傾いている」と問題視した。
市は31日まで、計画案に対する市民意見をインターネットなどで募集中。今回の催しは、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)誘致に反対した市民らで構成する団体が主催し、約20人が参加した。(神谷慶)



