市民主催の「鎌人いち場」、多世代交流の場に成長
市民主催「鎌人いち場」、多世代交流の場に

初夏の鎌倉海浜公園由比ガ浜地区で、市民主催のコミュニティーマーケット「鎌人(かまんど)いち場(通称かまんど)」が開かれた。潮の香りと輝く波を望む会場には、多くの人々が集まった。

「かまんど」の多様な要素

かまんどには、物が行き交う「売る場」や、人々が情報や気持ちを通わせる「知る場」「交わる場」、おいしいものが並ぶ「食べる場」など、いくつもの要素が詰まっている。活動の成果を披露するステージも2カ所用意され、訪れる人々を楽しませた。

実行委員長の思い

2009年に始まったかまんどの実行委員長を、コロナ禍後に再開した2022年から務める宮部誠二郎さん(39)。基本のテーマは「人と街をつなげ、つながりを広げていくこと」だ。会場を社会に見立て、大人から子どもまで、年代や職種を超えて交流する場所をつくっている。

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「人とつながるにはリアルな出会いが大切だと思う。だから出展者や参加者への説明会は対面で行い、自己紹介から始める。そうして参加者も運営側の一員となって、かまんどをつくっている」と宮部さんは語る。

多様な出展者

趣旨に賛同して「いち場」に集まる人は多種多様だ。ビーチ用品やTシャツを売る店もあれば、体を整えるヒーリング系のコーナーもある。境内で開く盆踊りをPRする、市内の光明寺の僧侶の姿も見られた。

原点は学生時代のフリーペーパー

「人と街をつなげる」出発点は、学生時代に立ち上げたフリーペーパー「KAMAKURA」にある。鎌倉の世界遺産登録を巡るワークショップに参加し、「鎌倉について熱く語り合う大人の姿がおもしろく、格好良いと感じた」。立場や考え方が異なる人たちをつなげる街づくりを目指し、年2回、鎌倉や人の魅力を発信した。

カラーで写真も満載、時に100ページを超す小冊子は「現地に行かないと手に入らないフリーペーパー」として人気を呼んだ。

「人生が楽しくなるきっかけや場所づくりを手助けしたいというのが、行動の動機。フリーペーパーもかまんども、同じことをやっているのかもしれません」と宮部さんは振り返る。

仕事との相乗効果

地元企業に所属し、移住を支援するのが本業の宮部さん。「仕事でやっているのも、地域と人をつなげること。かまんどでの役割やコミュニティーで学んだことは仕事にも生きている。自分の中でいい循環ができている」と話す。

地域を超えたつながり

かまんどは鎌倉市民が対象だが、完全に閉じた企画ではない。2024年の地震で被害を受けた能登半島を支援する市民活動の縁で、今回初めて石川県の団体がブースを設けた。韓国京畿道安城市の市民団体も特別参加し、交流を深めた。

「つながることを基本にしているとボーダー(境界)がなくなってくる。かまんどは、地域のつながりの場。その上で、外ともつながる余白を残していることは、鎌倉の人にとってもいいことなんじゃないでしょうか」と宮部さんは語る。

参加者の声

石川県から参加した一般社団法人「NOTOにじのひかり」の竹下あづさ代表は「現地の情報を直接伝える場があることがうれしい」と話す。韓国・安城市の市民団体「市民ギョテ協同組合」の金容漢理事長は「市民団体がこれほど大きな市場を運営するとは。方法を学び、いつかこんな取り組みをするのが夢だ」と語った。

かまんどは、鎌倉市内のNPOが交流する「かまくら市民活動の日フェスティバル」10周年のミーティングをきっかけに年2回開催され、今回で28回目。初代実行委員長の森下真司さんによるコンセプトは「100年先まで残る市場」。1日約2万人が訪れるイベントに成長した。

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