滋賀県甲賀市のコミュニティーFM「エフエム花」、信楽町に新アンテナ設置で音質向上と防災力強化を実現
滋賀・甲賀市のFM局、信楽町に新アンテナで音質向上と防災強化 (10.04.2026)

滋賀県甲賀市のコミュニティーFM「エフエム花」、信楽町に新アンテナを設置し音質向上と防災機能を強化

滋賀県甲賀市のコミュニティーFMラジオ局「エフエム花」(周波数77.5メガヘルツ)が、同市信楽町に送信アンテナを新たに設置し、2026年4月1日から同町内でもクリアな音質での聴取が可能となった。これにより、市内ほぼ全域をカバーする放送エリアが整備され、高齢者の迷い人情報などの緊急放送を通じて市民の安全を守る一方、新たな地域のつながりを生み出している。リスナーからは「一日中、周波数を合わせっぱなし」との声も寄せられ、地域コミュニティの核としての役割が高まっている。

東日本大震災を契機に開局、防災意識からアンテナ拡張へ

同局は、2011年の東日本大震災をきっかけに、地元密着型のコミュニティーFMの重要性を実感した甲賀市水口町の中村一弘さん(60)が、生花店を営みながら5年間の構想を経て、2023年9月18日に開局した。当初は山間部の信楽町が電波の届きにくいエリアとして外れており、「まず開局を優先した」と中村さんは振り返る。しかし、2024年1月の能登半島地震を経験し、「全市に電波を届けないとダメ」と痛感。国などの補助金を活用し、二つ目となるアンテナの設置を急いだ。

中村さんは、「甲賀市は災害が少ない土地柄だが、何が起きるかわからない。防災面でラジオは非常に大事なツール」と強調し、市内ほぼ全域のカバー体制が整ったことを喜んでいる。送信アンテナは庚申山の展望台に設置されており、甲賀市の水口、甲賀、甲南、土山の各町に加え、湖南市、竜王町、日野町にも電波が届く。電波条件が良ければ、彦根市や長浜市、高島市でも聴取可能という。

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地元住民がDJを務め、生放送で地域の絆を深める

「エフエム花」のディスクジョッキー(DJ)は、地元住民ら約20人が交代で担当。平日は朝(午前7時から8時)、昼(正午から午後1時半または2時)、夕方(午後5時半から7時)の時間帯に生放送を行い、その日のテーマに沿った話題やリスナーからのメッセージをもとに語りかけている。生放送以外の時間帯は音楽を流し続けるなど、地域に寄り添った番組編成が特徴だ。

DJは全員が未経験者からスタート。中村さんの高校時代の後輩であるカミムさん(59)は、金曜昼の番組などを担当し、「生放送でリスナーから反応があるのが楽しい。つながりがリアルに感じられる」と笑顔で語る。また、緊急情報の放送については、「ラジオの役割の一つだと思う」と重要性を強調している。

緊急情報の即応性と今後の展開

開局以来、同局は5件ほどの迷い人緊急情報を電波に乗せて送信し、ほとんどが保護につながっている。中村さんは、「生放送時以外でも、必要ならすぐにスイッチを入れて呼びかけられる」と即応性の高さをアピール。リスナーからは「エフエム花に元気づけられる」との声も直接寄せられ、これが運営の原動力になっているという。

今後は、市役所や地域市民センター前などでのイベント時に現地から生放送を行い、認知度向上を図ることが目標。中村さんは「市内の皆さんにもっと知ってもらいたい」と意気込む。コンテナを改装したスタジオから届けられる〈ラジオの時間〉は、防災ツールとしてだけでなく、コミュニティーツールとして大きな可能性を秘めている。

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