南丹市、合併特例債終了で財政難に直面 人口減少と広大な市域が圧迫
2006年1月に園部町、八木町、日吉町、美山町の4町が合併して誕生した京都府南丹市は、市制20年を迎えた。しかし、有利な条件で借り入れが可能だった「合併特例債」の起債期間が終了し、財政状況が厳しさを増している。難しいかじ取りを託すまちのリーダーを選ぶ市長選と市議選(定数20)は8日に告示される。
広大な市域と人口減少が財政を圧迫
旧4町を合わせた南丹市の面積は616.4平方キロメートルで、京都府内の市町村では京都市に次ぐ広さであり、東京23区(627.5平方キロメートル)に匹敵する。一方、合併直後の2006年10月には約36,000人だった人口は、約29,000人(2月現在)まで減少し、約7,000人の減少を記録している。この広大な市域と人口減少が、市の財政をさらに圧迫する要因となっている。
2026年度当初予算は、市長選の影響もあり、一般会計は222億9,500万円(前年度比18.1%減)の骨格予算となった。合併後の20年間活用できた合併特例債は、2025年度が最終となり、新規起債はゼロに。同年度には32億7,900万円が計上されていたが、これが失われることで歳入源が大きく減少する。
合併特例債のメリットと活用実績
合併特例債は、合併後の公共施設整備など特定事業に限定されるものの、事業費の95%まで借り入れが可能で、返済は国が7割を負担するため、自治体の負担は3割で済むという大きなメリットがあった。南丹市はこの特例債を活用し、ケーブルテレビのケーブル敷設、JR八木駅の駅舎整備、市庁舎の建設・改修、給食センターの統合など、様々な事業を推進してきた。自治体の規模に基づく起債上限額の168億円をほぼ使い切る見込みだという。
「借金」とはいえ、貴重な歳入源だった特例債に頼れなくなった今後、市の財政が厳しくなるのは避けられない。これまで、基金を取り崩して財政をやり繰りしてきたが、市はその「貯金」にも依存しない財政を目指し、2024~2027年度の4年間にわたる「財政健全化プラン」を策定した。
財政健全化への取り組みと課題
このプランでは、「緊急対策」として老朽化した公共施設の廃止や補助金の見直し、事業の再評価などを掲げ、4年間で22億円の削減と4億円の増収を期待している。例えば、園部半田文化センターは廃止対象となった。市企画財政課は、「人件費や物価の高騰により効果は小さくなったが、実施しなければ財政はさらに悪化していた」と評価する。
また、合併による国からの交付金の「上乗せ」も、2021年度からゼロとなった。財政の健全性を維持するためには、歳入を増やすか、歳出を減らすかの選択肢しかない。新市長には、バランスの取れた市政運営が強く求められる。
市長選と市議選の行方
市長選には、いずれも無所属で現職の西村良平氏(72歳)と新人で前市議の西村好高氏(49歳)が立候補を予定している。また、2月18日に前議員の任期が切れた市議選も、公職選挙法の特例により同日選で実施され、22人が立候補の準備を進めている。いずれの選挙も投開票は15日に行われる。立候補の受け付けは、午前8時30分から午後5時まで、市役所2号館で行われる。
2日現在の選挙人名簿登録者数は24,811人。市民の関心が高まる中、新たな市政の方向性が注目される。



