静岡・東富士演習場での米軍ハイマース訓練、地元自治体が条件付きで正式受け入れ決定
静岡県御殿場市、裾野市、小山町にまたがる東富士演習場において、米軍が5月に実施を計画している高機動ロケット砲システム「ハイマース」の射撃訓練を巡り、3市町の首長や地権者らは20日、御殿場市で拡大会議を開催し、訓練の受け入れを正式に決定しました。この決定は、昨年10月に同様の訓練を「今回限り」の条件で認めてからわずか半年後のことであり、地元側には続く負担増に対する諦めの声も聞かれています。
訓練による市民生活への影響と安全保障上の懸念
訓練では、演習場内を通る国道469号を演習弾が越えるため、交通規制が実施され、市民生活に支障が出ることが予想されます。さらに、米国のイラン攻撃を契機に世界各国の米軍基地が標的となる中、東富士演習場でも同様の安全保障上の懸念が高まっています。地元住民からは、訓練による騒音や安全面への不安が指摘されており、自治体には慎重な対応が求められています。
地元側が提示した受け入れ条件と首長の見解
地元側は訓練受け入れに際し、以下の条件を提示しました:
- 訓練の実施回数を年2回以内に制限すること
- 交通規制の時間を可能な限り短縮すること
- 訓練内容やスケジュールについて事前に十分な情報提供を行うこと
御殿場市の勝又正美市長は会議で、「訓練の集中を避け、地域負担を軽減するため『年2回以内』の条件を設定した。米軍側がこの約束を遵守するかどうか、今後も注視していきたい」と述べ、条件履行への監視を強調しました。
地権者からの諦めの声と防衛相の働きかけ
地権者を代表する東富士演習場地域農民再建連盟の勝又亮一委員長は、「前回は『今回限り』として訓練を受け入れたが、わずか半年で新たな要請が来た。地元としてどうすることもできず、やむを得ないという認識だ」と語り、繰り返される訓練への疲労感と無力感を露わにしました。
一方、訓練を巡っては小泉進次郎防衛相が今月11日、地元首長と会談し、訓練の必要性について理解を求める働きかけを行っていました。政府としては、日米同盟の強化や地域防衛力向上の観点から訓練実施を推進しており、地元との調整を続けています。
今回の決定は、安全保障と地域住民の生活バランスを図る難しい課題を浮き彫りにしました。今後の訓練実施においては、地元側が提示した条件が確実に守られるかが焦点となり、自治体と政府の継続的な対話が不可欠です。



