アフリカで「札束ブーケ」がバレンタインの新トレンドに
アフリカ諸国において、バレンタインデーの贈り物として、紙幣を花束のように見立てた「札束ブーケ」が急速に人気を高めている。このユニークな贈り物は、小額紙幣を数十枚束ねて華やかに装飾したもので、従来の花束や菓子に代わる実利的な選択肢として注目を集めている。
生活苦から生まれた実用的な贈り物
アフリカではバレンタインデーに恋人や家族に花束や菓子を贈る習慣が根付いているが、経済的な困難を抱える人々の間で、より実用的な贈り物を求める声が高まっていた。これに応える形で登場したのが札束ブーケである。ケニアでは1000シリング(約1200円)から数万シリングで販売されており、手頃な価格帯から高級品まで幅広いラインナップが揃っている。
このブームは単なる金銭の贈与ではなく、紙幣を芸術的にアレンジすることで、贈り物としての価値を高めている点が特徴だ。しかし、その人気が高まるにつれて、法的な問題が表面化してきた。
中央銀行が厳重警告を発出
ケニア中央銀行は今月2日、札束ブーケの使用に対して厳しい警告を発出した。問題は、紙幣を束ねるために使用される接着剤にある。この接着剤が現金自動預け払い機(ATM)の内部機構に付着し、機械の不具合を引き起こす可能性が指摘されたのだ。
同銀行は声明の中で、「紙幣の損傷は刑法違反に該当する」と明確に述べ、札束ブーケの作成や使用を禁止するよう呼びかけた。さらに、ナイジェリア中央銀行も同様に、このような紙幣の不正利用を指定し、規制の強化に乗り出している。
法的・技術的な課題が浮上
札束ブーケの流行は、伝統的な贈答習慣と現代の経済事情が交差する現象として捉えられる。一方で、紙幣を加工することは多くの国で法律違反となる行為であり、金融システムへの悪影響も無視できない。
ATMの不具合は、単なる機械故障にとどまらず、金融取引の遅延やサービス停止を招く恐れがあり、社会全体の経済活動に支障を来す可能性がある。中央銀行の警告は、こうした広範な影響を考慮した上での対応と言える。
今後、アフリカ各国で札束ブーケに対する規制が強化されるかどうかが注目される。バレンタインデーを控えた時期だけに、消費者と当局の間で緊張が高まる可能性もある。伝統と革新、実用性と合法性の狭間で、アフリカ独特のバレンタイン文化が新たな局面を迎えている。