アイシン吉田社長、EV市場の減速にも開発継続を宣言
自動車部品大手のアイシン・吉田守孝社長(68)が、2025年は先行き不透明な年だったと振り返りつつも、経営統合後の手応えを強く感じた年だったと語りました。同社は世界一の台数規模を誇る駆動ユニットを強化し、ハイブリッド車(HV)、プラグインハイブリッド車(PHV)、電気自動車(EV)、そしてガソリン車向け製品など、多様な状況に対応できる体制を整えています。
EV市場減速も将来を見据えた開発を継続
世界的なEV市場の減速や欧米でのEV推進策縮小の動きを受け、ガソリン車用製品を充実させる同社にとってはプラスの側面もあると指摘。しかし、吉田社長は「将来はEVの時代が来ると確信している」と断言し、EV関連製品の開発を怠らない姿勢を強調しました。
具体的には、小型化や「電費」の向上など、付加価値の高いEV製品の品ぞろえを準備し、開発スピードを一切緩めない方針です。世界に150の生産拠点を持つ同社は、各地のニーズに的確に対応しながら、EV時代への備えを着実に進めています。
地政学リスク増大で現地化戦略を加速
海外戦略では、日本主体の営業や調達から、より現地化を進める方針を明らかにしました。米国の関税政策など保護貿易の台頭により、地政学リスクが増大し、効率的なグローバルサプライチェーンが分断されたことで、現地化のニーズが急増していると分析。
吉田社長は「この2年間、現地化を進めた方向性は正しかった」と述べ、今後も体制強化を図る考えを示しました。特に日本、北米、インド、南米を当面の強化領域と設定し、市場ごとの地域戦略を策定。インドでは現地生産の拡大にも力を入れていく方針です。
愛知県出身の吉田社長は、1980年に名古屋大学工学部を卒業後、トヨタ自動車工業(現・トヨタ自動車)に入社。2018年にトヨタの副社長に就任し、豊田中央研究所会長を経て、2021年6月から現職を務めています。