政府は8日、人工知能(AI)の規制に関する基本方針を閣議決定した。リスクの程度に応じて規制を段階的に導入する枠組みを盛り込み、関連法案を今国会に提出する方針を固めた。
基本方針の概要
基本方針では、AIの利用がもたらすリスクを「不可接受的リスク」「高リスク」「限定的リスク」「最小リスク」の4段階に分類。それぞれに応じた規制を課す。例えば、人間の生命や安全に直接的な脅威を与える「不可接受的リスク」に該当するAIについては、使用を原則禁止とする。一方、「最小リスク」に分類されるAIは、自主的なガイドラインの遵守を促すにとどめる。
法案の提出と今後のスケジュール
政府は、この基本方針に基づくAI規制法案を今国会に提出する。法案では、AIの開発・提供事業者に対してリスク評価の実施や透明性の確保を義務付けるほか、違反した場合の罰則も設ける。政府は、早期の成立を目指し、与野党との調整を進める方針だ。
また、政府は2027年までに、AI規制の国際的な枠組みの構築を目指す。日本が主導的な役割を果たし、欧州連合(EU)などとの連携を強化する。
専門家の見解
AI規制に詳しい専門家は「リスクベースのアプローチは国際的な流れに沿ったものだ。ただし、規制の実効性を高めるためには、技術の進展に合わせて柔軟に見直す仕組みが必要だ」と指摘する。
一方、産業界からは「過度な規制はイノベーションを阻害する恐れがある」との懸念も出ている。政府は、規制のバランスを考慮しながら、AIの健全な発展を促進する方針だ。



