任侠電器 第58回:日村、噂と警察の思惑に警戒を促す
任侠電器 第58回:日村、噂と警察の思惑に警戒

日村の警告

「くれぐれも気をつけろ」と日村は言った。「宝楽の大将が言った噂が広まっているかもしれないからな」

真吉が聞き返した。「何ですか? 宝楽の大将が言った噂って……」

稔が説明した。「高校生の間で、地元のヤクザが恐ろしいって話が広まっているらしいんだ」

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真吉がぽかんとした顔で言う。「ヤクザが恐ろしいのは、当たり前のことでしょう」

稔が言い返す。「何もしていないのに、怖がられるのは嫌じゃないか」

日村は言った。「誤解を生むこともある。おまえたちがまた、健一みたいな目にあったら面倒だ」

真吉が言う。「俺たち全員捕まったら、日村さんはたいへんですね」

まったくだ。そんなことは考えたくもない。日村はそう思った。

警察の動き

稔が言った。「警察は、三橋さんをいつ釈放するつもりでしょう」

「さあな……。釈放するつもりなんてないのかもしれない。仙川係長は、何としても手柄を立てたいんだ。健一は、飛んで火に入るってやつだったわけだ」

「でも、拘束はできないはずですよね」

「任意同行だからといって、帰りたいと言ってはいそうですかというほど、警察は甘くない。何かと理由をつけて、帰らせないんだ」

「弁護士か何か雇って、違法捜査だって言ってやったらどうですか?」

「ヤクザのために警察に逆らうような、腹の据わった弁護士がそうそういるわけじゃないよ」

「そうですかね……」

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