練馬消防団のPR動画を日大芸術学部の学生が製作、若者に消防団の魅力を発信
練馬消防団のPR動画を日大芸術学部の学生が製作

若い世代に消防団の活動を広く知ってもらおうと、東京都練馬区の練馬消防署と練馬消防団が、地元の日本大学芸術学部映画学科の学生たちと協力してPR動画を製作した。消防団では人手不足と高齢化が深刻化しており、新たな担い手の確保が急務となっている。しかし、消防団の認知度は必ずしも高くないため、若い学生の力と映像やインターネットを通じた発信力を活用してPR活動に乗り出した。

動画製作の背景と目的

この動画製作は練馬消防署からの依頼によるもので、同署と練馬消防団が連携して企画した。製作を担当したのは、同学科4年生の浜野咲来さんと安斎璃桜さんが監督を務め、松山瑞希さんと大北茉奈さんが出演する形で進められた。動画の内容は約1分間で、松山さんが演じる動画投稿者の「あおい」が、大北さんが演じる消防団員に誘われて消防団の訓練を撮影するというストーリーだ。

動画の見どころと工夫

あおいは消防団について何も知らない設定で、実際の消防団員にその入団理由を尋ねて回る。団員からは「地元のためになるから」などの答えが返ってくるが、あおいにはその意義が十分に伝わらない。最後に団員たちが「入ればわかるよ」と誘うシーンで動画は終了する。このような構成により、視聴者に消防団への興味を抱かせる狙いがある。また、コミカルな演出も随所に取り入れられており、例えば訓練中にあおいに放水がかかりカメラを拭くシーンでは、カメラワークと演技のタイミングを合わせるのが難しく、5回ほど撮り直したという。最後の大北さんの笑顔での「入ればわかるよ」という台詞は、視聴者を生き生きと誘うイメージで演技され、実際にこの動画を見た友達から「『入ればわかるよ』と言ってみせて」と言われたそうで、狙い通り耳に残ったと手応えを感じている。

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学生たちの取り組みと反応

学生たちは消防団や練馬消防署と何度も話し合いを重ね、動画の構成を練り上げた。浜野さんは「撮影前は消防団と消防署の違いも分からなかった。消防団をネット検索してみたくなるような動画にした」と語る。安斎さんも「あおいと同じように『消防団って何だろう』と思ってもらいたい」と話している。

消防団の現状と課題

練馬消防団で約10年間団長を務める青柳尚毅さん(68)は、「10年前は定員を満たす団員がいたが、定年制が導入され上の世代が退団しても下の世代が入らず、急激に減少している」と厳しい現状を説明する。また、「練馬区に消防団があるのですか、と聞かれたこともある」と認知度の低さにも懸念を示し、今回のPR動画を通じて「消防団に興味を持ってもらうきっかけになれば」と期待を寄せている。

担い手不足と高齢化の進行

消防団は、東京消防庁などの消防組織の職員とは別に、非常勤の公務員として火災や災害現場などに自宅や職場から駆けつけ、消火や救助活動を行う組織である。23区の消防団員の定数は都条例で1万6千人と定められ、地域ごとに58の消防団に割り振られている。4月1日現在、練馬消防団では定数280人に対して団員数は231人で、23区全体でも団員数は計1万3277人と定数を下回っている。23区の団員の平均年齢は51.2歳で、力仕事が多い消防団にとって若い人手は不可欠だが、平均年齢は上昇傾向が続き、世代交代も難しくなっている。

動画は東京消防庁の公式YouTubeチャンネルで公開されており、多くの人に視聴してもらうことで、消防団への関心を高めることが期待されている。

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