松山市民会館代替施設、JR基地跡地が候補に アリーナ計画頓挫で
松山市民会館代替施設、JR基地跡地が候補に

老朽化のため2028年3月末に閉館する松山市民会館の代替施設について、有識者らで構成される市の検討会が28日開かれ、JR松山駅に隣接する車両基地跡地を整備候補地とすることで全委員の意見が一致した。この跡地ではアリーナ整備が計画されていたが、4月にIT企業サイボウズが撤退し、計画が行き詰まっていた。市は「総合的に判断し、早く候補地を示したい」とし、跡地活用は近く結論が出る見通しだ。

検討会で3案提示、JR跡地が最適と判断

この日、検討会が市内で開かれ、市は車両基地跡地(9250平方メートル)のほか、松山中央公園運動広場、市総合コミュニティセンター西側の計3案を委員に提示し、各案の長所や欠点を説明した。

委員からは跡地での整備を求める意見が相次ぎ、交通の利便性が良く、整地済みで建物の解体費がかからないことなどから「最適」「強く進めてほしい」との声が上がった。他の2案を推す意見はなかった。

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アリーナ計画の経緯と現状

アリーナ整備の計画が浮上する前、市は跡地で文化施設を整備する基本構想を策定していた。多くの委員は、この構想を生かし、代替施設の整備にかかる期間を短くする新工程の検討を求めた。一方、跡地横のJR高架による騒音や振動の影響が不安点として挙がり、市は「確認する」とした。

会合後、委員で松山コンサートホールを創る会の池田慈代表は「やっと元々の構想まで戻りそうで、率直にうれしい。新施設は日常的に何かやっている施設で、その中に一流のホールがあるような場所がふさわしい」と話した。市文化・ことば課の網矢宏明・文化拠点担当課長は「3案の中からJR跡地が最適との意見をいただいたと受け止めている」と述べた。

次回の検討会は7~8月に開催し、代替施設の規模や機能のニーズ、方向性などを話し合う予定だ。

アリーナ計画の頓挫と背景

跡地でのアリーナ整備は、市がJR松山駅周辺再開発の中核と位置づけていたが、バスケットボール・愛媛オレンジバイキングスを傘下に持つサイボウズが4月、県内で別の候補地を探す方針を表明。これを受け、サイボウズ抜きでアリーナ整備に参画する意向を示す業者はなく、実現性はほぼなくなっていた。

知事「市長は早期決断を」

JR松山駅周辺で松山市民会館の代替施設を整備する案について、中村知事は28日、「まちづくりの責任者である市長が決断しなければ物事は動かない」と語り、野志克仁市長に早期の決断を求めた。

中村知事は、検討会が開かれる前にあった定例記者会見で、「急きょ練り上げたプランで、どこまで煮詰まっているのかさっぱり分からない状況」とし、「今から検討で長い時間をかけるのはどうなのか。全員の意見が一致することはなく、賛否を受け止めて決断しなければ」と話した。

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