中村文具店:昭和の香り漂う老舗文具店
東京都小金井市の中村文具店は、赤い扉と青い外壁が印象的なカラフルな建物が目印だ。手書き風フォントのホーロー看板が並び、引き戸を開けると約1000点もの文房具がずらりと並ぶ。ガラスペンや鋳物のホチキスなど、懐かしさを感じさせる商品が中心で、古い文房具ファンにはたまらない魅力を放っている。
店主のこだわりと歴史
3代目店主の中村研一さん(60)は、大正時代の鋳物ホチキス(非売品)を見せながら、「これ、なかなか珍しいですよ」と笑顔で説明する。半世紀前の鉛筆削りで実際に鉛筆を削って見せるなど、気さくな人柄も人気の秘密だ。1946年、出征先から戻った祖父・三蔵さんが街道沿いに開店。1970年代には周辺に100店舗以上が軒を連ね、にぎわいを見せていた。しかし、2010年に道路拡張工事で店の取り壊しが決まり、一度は閉店を余儀なくされた。当時店員だった研一さんは、倉庫に眠っていた古い文具を並べ、SNSで閉店セールを宣伝。すると全国から来店客が殺到し、その人気を実感した研一さんは、近くの自宅を改修して店を続けることを決意した。
数年後、廃屋だった現在の建物を買い取り、日曜大工で1年かけてレトロな店舗に仕上げた。一般的な文具を地元事業所に卸しつつ、骨董市を回ったり廃業する店から譲り受けたりして古い文具を収集。今では海外からもマニアが訪れるようになった。研一さんは「古い文具はフォントやパッケージが味わい深く、今でも十分に使える持ちの良さが魅力」と語り、約1000枚の古いレコードや蓄音機が倉庫に眠っており、いつか喫茶店を開く夢も描いている。
丸田ストアー:若者に人気の複合施設
同じく小金井市にある「丸田ストアー」は、JR武蔵小金井駅からバスで10分ほどの住宅街に位置する。カフェ、生花店、整体、和菓子、ギャラリーの5店が集まる商業施設で、かつては個人商店が集まる市場だったが、改修して現在の形になった。味のある外観と雰囲気が若者に人気だ。
カフェ「スプンフル」の店主・真嶋麻衣さん(54)は地元出身で、アジアや中南米を旅し「市場の活気が好き」と語る。2011年にこの場所でカフェを開業し、コーヒーやカレーなどのエスニック料理を提供。店内には古本が並び、つい長居したくなる居心地の良さがある。
アクセス情報
中村文具店:東京都小金井市中町4-13-17。JR武蔵小金井駅から徒歩5分。営業時間は土日正午~午後8時(祝日は午後7時まで)、平日夕方は不定期。問い合わせ:nakamura.bungu@gmail.com。



