むつ市で海自カレー普及事業が新たな展開 ホテルサンマモルむつが8店舗目の認定店に
青森県むつ市において、海上自衛隊大湊基地の護衛艦などで隊員が食べているカレーを市内の飲食店で提供する「大湊海自カレー普及事業」が、新たな一歩を踏み出しました。同市大湊にある「ホテルサンマモルむつ」が4月9日、部隊の認定を受け、8店舗目の公式提供店として加わりました。2027年に事業開始から10年を迎えるのを前に、関係者たちは海自カレーのさらなる普及に向けて意気込みを新たにしています。
観光と街おこしを目指すユニークな取り組み
この事業は、飲食店や市などで構成される「大湊海自カレー普及会」が中心となって推進しています。海上自衛隊の護衛艦で隊員たちが毎週金曜日に楽しんでいるカレーを、むつ市の新たなご当地メニューとして確立し、観光振興や地域活性化に結びつけることが大きな目的です。海上自衛隊側も全面的に協力しており、各部隊の調理員が飲食店にレシピを伝授し、艦長らが実際に試食を行って認定を下すという手順を踏んでいます。
本格的な審査で「まきなみ」のポークカレーを再現
4月9日には、ホテルサンマモルむつが朝食ビュッフェで提供する護衛艦「まきなみ」のポークカレーを再現したメニューの審査が実施されました。艦長である前園仁2等海佐が自ら試食に臨み、カレーをサラダや牛乳とともに金属製のプレート「テッパン」に盛り付ける、艦内さながらの形式で振る舞われました。
このカレーは、10種類の香辛料を効かせ、青森県民に親しまれている調味料「スタミナ源たれ」などを隠し味に加えた、ピリッとスパイシーな味わいが特徴です。前園2佐は試食後、「スパイシーなカレーを忠実に再現している」と高く評価し、認定に太鼓判を押しました。
約8万食を提供 観光の新たな呼び物に
普及会によれば、事業が開始された2017年6月から2026年2月末までの間に、認定店舗では累計で約8万食の海自カレーが提供されてきました。前園2佐は「海上自衛官にとってカレーはエネルギーの源です。さまざまな味がそれぞれの店で楽しめるので、観光のきっかけになれば嬉しい」と語り、地域との連携に期待を寄せています。
柔軟な提供形式で店舗拡大を目指す
普及会では現在、サラダや付け合わせとともに提供することが義務付けられているテッパン形式にこだわらず、負担を軽減しながら提供店舗の拡大を図る方針を打ち出しています。宮本明会長は「むつを訪れる観光客に、だんだんと海自カレーが認知されてきました。事業開始10年に向けて、店舗数を増やし、街を盛り上げるイベントも考えていきたい」と力を込め、今後の展開に意欲を見せています。
この取り組みは、海上自衛隊の食文化を地域資源として活用し、観光客の呼び込みと地域経済の活性化を両立させるユニークな事例として注目を集めています。むつ市では、海自カレーが新たな観光の目玉として定着し、さらなる発展を遂げることが期待されています。



