日本政策投資銀行と日本交通公社が実施した2025年度の訪日外国人客(インバウンド)意向調査で、岡山への訪問意欲が3.8%にとどまることが明らかになった。地方の観光地への訪問意欲は全体で約9割に上る中、岡山が地方観光の需要を十分に取り込めていない実態が浮き彫りとなった。
調査概要と結果
調査は2025年7月、韓国や中国などのアジア圏、米国やオーストラリア、英国など欧米豪の計12か国・地域の海外旅行経験者7413人を対象にインターネットで実施。岡山や倉敷を含む全国の主要観光地について、認知度や訪問意欲を尋ねた。
岡山の認知度は12.2%で、中四国では広島の34%に次ぎ、徳島の8.6%を上回った。しかし訪問意欲では広島が11.5%、岡山が3.8%、徳島が2.6%と、広島に大きな差をつけられた。
インバウンドを巡っては近年、東京や大阪、京都を巡る「ゴールデンルート」から地方へと関心が移り、地域間の競争が激化している。
専門家の分析
同行岡山事務所の担当者は、岡山が近隣の主要観光地と比べて目的地としての印象が弱いと指摘する。「広島には平和記念公園や世界遺産があり、『ぜひ行きたい』という理由が強い」一方、「岡山は『なんとなく知っている』程度の層に、具体的な旅行イメージを示しきれていない」と述べた。
また、同事務所が昨年、後楽園を訪れた訪日客に旅行先を聞き取ったところ、飛騨高山(岐阜県)や直島(香川県)、熊野古道(和歌山県)、兼六園(石川県)などを周遊先に挙げるケースが多く、自然や文化をテーマに巡る傾向が見られたという。
今後の課題
岡山県内には岡山後楽園や倉敷美観地区など個別の観光資源があるものの、自然や歴史文化と結びつけた「ストーリー」として他の観光エリアを含めた周遊への訴求力が弱いと分析。同事務所は交通の利便性を強みに挙げ、「通過点としてでなく、目的地として選ばれるようにするためには、岡山城や後楽園、備前長船派の刀剣など点在する観光資源をパッケージとして提供していく必要がある」としている。



