伊勢神宮(伊勢市)の式年遷宮に向け、市民らが用材を運ぶ「お木曳(きひき)行事」が23日、行われました。黒瀬町奉曳(ほうえい)団の子どもたちは、小ぶりな奉曳車で用材を外宮まで運び、元気いっぱいのかけ声を響かせながら、550年以上続く地域の伝統に触れました。
子どもたちが主役の奉曳車
「エンヤー!」。子どもたちの高い声が、小雨の降る街に響き渡ります。木製の車は高さ約2.5メートルで、大人用の半分ほどの大きさ。白木の用材を載せ、ゆっくりと進みました。車から伸びた2本の綱には、法被姿の児童や幼児、その保護者ら約100人が連なりました。小さな体を倒して懸命に引く子もいれば、ぴょんぴょん飛び跳ねながら楽しそうに綱を引く子もいました。
伝統を未来へつなぐ思い
1年前から練習してきたという木やりを歌うその表情は誇らしげ。同団の大人たちが引く車に先行し、同市中島から約2キロを進みました。他の団は大人と子どもが一つの車を引く中、次世代を担う子らに主役となって行事を楽しんでもらおうと、前回の第2次お木曳行事(2007年)に合わせ、地元の大工、荒木仁さん(63)らが専用の車を作りました。前回、この車を引いた子の中には、大人になった今、木やり衆や引き手として伝統を支える人もいます。
木やりを担当した浜郷小5年の南平悠成さんは「熱気がすごい。大きな声で歌えて気持ちが良かった」とうれしそう。同小6年の石川ななみさんは「『エンヤー』『ヤットコセー』と声を合わせるのが楽しかった」と笑顔でした。
少子高齢化の中での伝承
市内72の奉曳団でも、少子高齢化の影響で担い手不足に直面する団は多い。宮川清彦団長(72)は「今日の楽しい思い出が次、そしてまた次へとつながっていくはず」と、子どもたちに伝統の未来を託しました。行事にはこの日、一色町お木曳奉曳団、通町奉曳団、小俣町奉曳団も参加しました。(清水大輔)



