高市早苗首相がなぜ若者からこれほど強く支持されるのか。その背景には、政治理念の根底にある「普通」という概念があると、慶應義塾大学名誉教授の宇津木愛子氏は分析する。宇津木氏は、大学の教え子との会食で、ある卒業生が口にした言葉に衝撃を受けたという。彼らは右も左もなく、素朴かつ「普通」の感覚で政治を見ていると実感したのだ。
「普通」の国を目指す高市首相
2026年1月の解散総選挙の発表で、高市首相は「右傾化ではなく、普通の国にするだけです」と述べた。この「普通」という言葉は、聞き流されやすいが極めて重大な概念を含んでいる。宇津木氏は、この「普通」を理解できない日本の政治家が多いと嘆く。
日常の「普通」が示す日本社会の特異性
日本では、財布を拾えば警察に届けるのが「普通」だ。宇津木氏自身、書類バッグを網棚に置き忘れたが、100%の確率で戻ってきた。フードコートで荷物を置いたまま歩き回っても盗まれたことはない。しかし、海外の目にはこれは「特異」または「異常」と映る。この特異性を「素晴らしい」と評価する声もある一方、否定的に捉える人もいる。
安倍元首相の理想と共通する「普通」
「普通の国」という理念は、安倍晋三元首相の著書『美しい国へ』でも主張された。自分の国を自分で守るという考えだが、一部の論者やメディアからは軍国主義への回帰と批判された。高市首相にとって、国家を豊かにし、国民の命と生活を守り、不安を安心と希望に変えることは、ごく「普通」のことであり、政治理念の根幹を成す。
若者の支持の理由
宇津木氏は、若者が高市首相を支持する理由として、彼らが「普通」の感覚を素直に受け入れているからだと指摘する。90%以上の若者が高市内閣を支持するというデータも、その証左だ。学生たちは、高市首相の政策を「普通」のこととして感謝しているという。
高市首相の政治は、右傾化ではなく、国際社会で当然とされる「普通」の国を目指すものだ。このシンプルなメッセージが、複雑な政治用語に惑わされない若者の心を掴んでいるのだろう。



