習近平が日本の「戦争反対」を利用する?台湾有事と日本の脆弱性を専門家が分析
習近平が日本の「戦争反対」を利用?台湾有事と日本の脆弱性

台湾有事の可能性が現実味を帯びる中、日本大学国際関係学部の千々和泰明准教授は、中国が巧妙に日本の世論を利用していると警告する。第2回となるこのインタビューでは、日本の安全保障の脆弱性と、取るべき戦略について深く掘り下げる。

トランプ大統領の根底にある日米同盟への不満

米中首脳会談後、アメリカが台湾への武器輸出を一時停止したことで、台湾有事への関与度合いに懸念が広がっている。千々和准教授は「日本は安全保障における自主性と主体性を高める必要がある」と強調する。

トランプ大統領は第1次政権時から、日米同盟の不公平感を訴えてきた。「アメリカが戦っている間に、日本はソニーのテレビで観戦しているだけだ」といった発言や、2025年3月の「日本はアメリカを守らない」という発言に象徴されるように、トランプ氏は日米同盟を一方的なものと見なしている。この同盟不信はNATOやウクライナ問題にも及び、ロシア寄りと見える姿勢の背景にもなっている。

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日本がとるべきスタンス

日米安保は戦後80年にわたり対等性と双務性の深化を目指してきたが、トランプ大統領がその歴史を理解しているとは思えない。日本は集団的自衛権行使容認や平和安全法制の制定、防衛費のGDP2%への引き上げなど、防衛努力を続けてきたが、それが十分に伝わっていない。

千々和氏は「日米同盟の互恵性や米国の対アジア戦略における日本の重要性を主張するとともに、日本の自主性・主体性を発揮することが不可欠だ」と述べる。2026年中に改訂が予定される安保3文書でも、この方向性の強化が必要だと指摘する。

国際法と国際政治に挟まれた高市首相

高市首相は国際法と国際政治の板挟みになっている。中国の海洋進出や台湾問題に対し、法的な立場と現実政治のバランスを取ることが求められる。

良好な日韓関係の背景

日韓関係は近年改善傾向にあるが、これは中国の台頭という共通の脅威に対する認識が背景にある。両国の協力は地域の安全保障に重要な役割を果たす。

日本が対中国の最前線になる

日本は地理的に中国の海洋進出の最前線に位置する。台湾有事が発生すれば、日本は直接的な影響を受ける可能性が高い。

「アメリカの戦争に巻き込まれる」の誤り

一部で「台湾有事はアメリカの戦争に日本が巻き込まれる」という見方があるが、千々和氏はこれを誤りと指摘する。日本自身の安全保障に関わる問題であり、主体的な判断が必要だ。

台湾危機を見過ごすことが平和主義なのか

「戦争反対」の声がむしろ戦争を助長する皮肉な状況がある。台湾危機を見過ごすことが真の平和主義なのか、問い直す必要がある。

習近平が持ち出した「ツキディデスの罠」

中国の習近平国家主席は、米中関係を「ツキディデスの罠」と表現し、現状変更を正当化しようとしている。千々和氏は「中国は様々なロジックを用いて自国を正当化し、日本の世論を利用することは多いに考えられる」と警告する。

日本の「戦争反対」の声が、中国の戦略に利用される可能性がある。日本は冷静な分析と主体的な安全保障政策が求められている。(第2回/全2回)

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