与野党による選挙運営に関する協議会で検討が進められていた関連法改正案の骨子の全容が5月26日、明らかになった。公正な選挙実施のため、インターネット利用者に対しては候補者に関する偽情報の発信を減らすための適正利用を促すほか、プラットフォーム事業者にも偽情報への対処を義務付ける。与党は来秋の統一地方選での適用を念頭に、今国会での法案成立を目指す。
事業者に対策義務、ユーザーに警告
改正の対象は、公職選挙法と、違法・有害情報への事業者対応などを定めた情報流通プラットフォーム対処法(情プラ法)の2法。与党は27日の協議会の会合で骨子について改めて議論した上で、近く法案を提出する方針だ。
明らかにした骨子によると、公選法改正に関しては、ネット利用者が候補者に関する虚偽事項を公表して選挙の公正を害してはならないとの警告規定を新設する。また、候補者などに関する動画や画像について、AIで作成し、実際に撮影されたと誤認される恐れがあるものには変更表示義務を設ける。
情プラ法に関しては、SNS事業者に対し、法令違反、虚偽、事実の捻じ曲げといった選挙の公正性を害する情報による悪影響の軽減措置を講じなければならないと定めた。実効性を確保するため総務省が指針を定める。事業者は毎年1回、講じた措置の実施状況を公表する。
背景と今後の展開
この一連の動きは、近年SNS上で拡散される偽情報が選挙結果に影響を与える事例が国内外で相次いでいることを受けたもの。特にAI技術の進展により、精巧な偽動画や画像が容易に作成できるようになり、有権者の誤認を招くリスクが高まっている。
与党は、来年秋に予定される統一地方選挙での適用を目指しており、早期の法案成立を図る方針。野党との協議も継続し、より実効性の高い制度設計を目指す。



