Googleは5月12日(現地時間)、モバイルOSの最新版「Android 17」に関する新情報を発表した。クリエイター向けの制作支援機能の追加に加え、詐欺対策などのセキュリティ面も強化される。自律的なタスク実行を可能にするAI機能「Gemini Intelligence」とも連携し、システム全体の利便性を高める方向性だ。
クリエイター向け新機能とInstagram連携
クリエイター向けの制作支援機能では、スマートフォンの画面録画と自身の反応を同時に撮影して合成する「Screen Reactions」を導入。Metaとの協力で「Instagram」との連携を深め、高精細なUltra HDR撮影や動画手ぶれ補正、夜景撮影モードがアプリ内から直接利用可能となる。
2026年夏にはAdobeの動画編集アプリ「Adobe Premiere」がAndroid向けに登場し、「YouTube Shorts」などの動画投稿プラットフォームのテンプレートを提供する。さらに、ストレージ効率に優れたプロ向け動画形式「APV」をサムスン電子の端末などに導入。約4000種類の「Noto 3D」絵文字も新たに追加し、視覚的な表現力を高めている。
セキュリティ強化:詐欺電話対策と生体認証
セキュリティ面では、紛失時に端末を遠隔でロックする「Mark as lost」を強化。ロックを解除する際は、従来のパスコードに加え指紋や顔などの生体認証を必須とし、第三者による設定変更を防ぐ。AIを活用した「ライブ脅威検出」は、アイコンを隠してバックグラウンドで動く不審なアプリをリアルタイムで監視する「動的シグナル監視」を備えた。
認証番号の予測を繰り返す攻撃への対策として、試行回数の制限を厳格化し、失敗時の待機時間を延長。OSの正当性を検証する「Android OS verification」も実装し、悪意ある修正が加えられたOSの使用を防止する。
その他にも、銀行を装った巧妙な詐欺電話を防ぐため、金融アプリと連携して着信の真偽をバックグラウンドでリアルタイム検証する仕組みを搭載。銀行からの正当な発信でないと判断した場合は自動で通話を切断する。
アプリの使いすぎ防止機能「Pause Point」
アプリの使いすぎを抑制する施策も行う。SNSなどを開く際に10秒間の待機時間を設けて「なぜアプリを開いたのか?」を考え直させる「Pause Point」は、セッションタイマーを設定し好きな画像を画面上に表示したり、オーディオブックなどの代替アプリを提案する設定が可能だ。また、衝動的に設定を解除できないよう、機能をオフにするには端末の再起動を必要とする。
他デバイス連携と車載システム強化
デバイス間の連携では、Appleとの協力でiPhoneからの移行プロセスを刷新。パスワードや写真だけでなく、ホーム画面のレイアウトまでワイヤレスで引き継げる。ファイル共有機能「Quick Share」は、QRコードを介して、AirDropを利用するiOSデバイスともクラウド経由で共有可能とした。
また、車載システムにGeminiを統合。運転中の安全を確保しながら、音声による操作が可能だ。「Magic Cue」機能は、受信したメッセージの文章をカレンダーやメールの情報と照らし合わせて理解し、AIが返信内容を提案する。音声だけでフードデリバリーアプリを介した食事の注文と決済までを完遂することも可能となる。
ナビゲーション強化と今後の展開
ナビゲーションでは建物や車線を立体表示する「Immersive Navigation」を導入したほか、AIによる標識の解説やカメラ映像も提供する。駐車中のYouTube視聴にも対応し、走行中は自動で音声再生に切り替わる安全設計を採用。26年後半には「Zoom」への対応も予定しているという。
Android 17の各機能は、26年夏に「Samsung Galaxy」と「Google Pixel」の最新スマートフォンから順次展開を開始し、後半にはスマートウォッチ、自動車、メガネ、ノートPCなどへ拡大。最終的にはAndroidデバイス全体で利用可能になる予定だ。日本での具体的な提供地域や時期については、今後改めて発表する。



