Anthropicは5月28日(現地時間)、Altimeter Capital、Dragoneer、Greenoaks、Sequoia Capital主導のシリーズHラウンドで、650億ドル(約9兆6500億円)の資金調達を発表した。調達後の評価額は9650億ドル(約143兆円)に達した。
前回から約3カ月で評価額が2.5倍に
前回の資金調達は2月に実施したシリーズGで、調達額は300億ドル、評価額は3800億ドルだった。評価額は約3カ月で約2.5倍に拡大した。5月初めには年間売上高が470億ドルを超えたという。
参加した投資家と資金の使途
Capital Group、Coatue、D1 Capital Partners、GIC、ICONIQ、XNが共同主導を務め、AMP PBC、Baillie Gifford、Blackstone、Brookfield、D.E. Shaw Ventures、DST Global、Fidelity Management & Research Company、General Catalyst、Insight Partners、Jane Street、Lightspeed Venture Partners、MGX、NTTVC、NX1 Capital、T. Rowe Price Associates、Temasekなど多数の機関投資家が参加した。また、Amazonからの50億ドルを含む150億ドル分は、クラウド大手などから事前にコミットされていた投資の組み入れとなる。
Anthropicのクリシュナ・ラオCFO(最高経営責任者)は、「Claudeは世界中の顧客コミュニティにとってますます不可欠な存在になっており、Claude CodeやCoworkなどのツールをより便利で強力なものにするため絶え間なく取り組んでいる。今回の資金調達は、われわれが経験している歴史的な需要に応え、研究の最前線に立ち続け、Claudeをより多くの仕事の現場に届けるために役立てていく」と述べた。
OpenAIを上回る評価額で未上場企業トップに
今回の資金調達で、Anthropicは競合のOpenAIを抜いて未上場企業として世界最高の評価額を持つAI企業となった。OpenAIは3月31日に1220億ドルの資金調達を完了し、評価額は8520億ドルとなっている。
Anthropicは同日、コーディング、エージェント的タスク、専門的業務での性能を強化した新モデル「Claude Opus 4.8」の提供開始も発表した。
関連する動き
防衛省は5月27日、米AI企業Anthropicと戦略的パートナーシップ契約を締結したと発表した。生成AI「Claude」を防衛省グループ全社約10万人に展開するほか、重要インフラ向けAI活用やサイバー防衛強化を進める。
また、AnthropicはSpaceXのクラウドに毎月2000億円超を支払っていると判明。SpaceXは5月20日、新規公開株式式発行(IPO)に向けたFORM-S1(目論見書)で、AI企業Anthropicとのコンピュート・サービス契約を開示した。Anthropicは2026年5月から2029年5月まで、SpaceXのデータセンター利用に対して毎月12億5000万ドルを支払う。
日立はAnthropicと提携。グループ29万人にClaudeなどAI導入へ。日立製作所と米Anthropicが戦略的パートナーシップを締結した。Anthropicの生成AIサービス「Claude」など先進AIを日立グループ約29万人の全ビジネスプロセスに導入するほか、同社の社会インフラ向けソリューション群「HMAX by Hitachi」(HMAX)にも展開する。Anthropicを巡っては、4月にNECとの協業を発表。国内ITとの連携を進めている。
Anthropicは、金融サービス企業向けに10種類のAIエージェントテンプレートを公開。投資銀行などの専門家を対象に、ピッチブック作成や監査などの業務を支援する。Microsoft 365との連携強化や、外部データプロバイダーとの接続も発表した。



