反移民唱道の兆万長者マスク氏、北アイルランド暴動で批判浴びる
反移民唱道の兆万長者マスク氏、北アイルランド暴動で批判

資産が1兆ドル(約160兆円)を超え、世界初の「兆万長者(トリリオネア)」となったイーロン・マスク氏は12日、英領北アイルランドの中心都市ベルファストで発生した反移民暴動をめぐり、厳しい批判にさらされた。専門家らは、マスク氏が所有するX(旧ツイッター)で拡散させた暴力的な言説が、数百万~数千万回閲覧されたと指摘している。

事件の背景

ベルファストでは、スーダン国籍の難民ハディ・アロディド被告(30)が市民1人を刃物で何度も刺して重傷を負わせた凄惨な事件を受け、2夜連続で反移民デモが行われた。参加者の一部が暴徒化し、警官隊と衝突した。アロディド被告は殺人未遂罪で起訴された。

マスク氏の関与

マスク氏はXで、トミー・ロビンソンの通称で知られる極右活動家スティーブン・ヤクスリーレノン氏による英国全土での反移民デモを呼び掛ける投稿をリポストし、「変化を起こすには、繰り返し、そして大きな声で抗議するしかない!!」とコメントした。さらに、英国の強硬右派新党「リストア・ブリテン」のルパート・ロウ党首による反移民の投稿・メッセージも拡散し、何百万~何千万人ものXユーザーにその声を届けた。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

デジタルヘイト対策センターの報告

オンライン上の誤情報・偽情報やヘイトスピーチを監視する非営利団体「デジタルヘイト対策センター」の報告によると、ベルファストの反移民暴動に関するマスク氏、ヤクスリーレノン氏、ロウ氏の投稿は、計1億1500万回以上ユーザーのタイムラインや検索結果などに表示された。その55%に当たる6400万回をマスク氏の投稿が占めたという。同センターは報告書で、「マスク氏による拡散が大きく貢献した」と指摘している。

専門家の見解

同センターの創設者兼最高経営責任者(CEO)であるイムラン・アーメド氏は、「マスク氏にはXの所有者、そして同プラットフォームで最も多くのフォロワーを持つユーザーとして、人々がオンラインで目にするものを形作るという比類なき権力を握っている。その権力には、自身のプラットフォームが奨励するコンテンツや行為に対する責任が伴う」と主張。「しかし、私たちの調査は、彼がベルファストの悲劇を利用して何百万~何千万人ものユーザーに反移民の言説を拡散させ、終わりのない暴力の呼び掛けを誘発したことを示している」「Xでこのコンテンツを広めるにあたり、マスク氏以上に大きな役割を果たした人物はいない」と付け加えた。

Xの対応と過去の経緯

AFPはXにコメントを求めたが、回答は得られていない。ヤクスリーレノン氏はかつて、X(当時はツイッター)からアカウントを永久停止されていた。だが、マスク氏が2022年に同プラットフォームを買収した後、偽情報やヘイトスピーチを拡散していると非難されている他の複数のインフルエンサーらのアカウントとともに、ヤクスリーレノン氏のアカウントも復活した。専門家によると、マスク氏はここ数週間、ロウ氏の投稿を拡散し、英国を救えるのは同氏率いる「リストア・ブリテン」だけだと呼び掛けることで、ロウ氏の影響力を拡大させている。

暴力の呼び掛けの増加

デジタルヘイト対策センターは、ベルファストの反移民暴動に関するマスク氏、ヤクスリーレノン氏、ロウ氏の投稿への返信の中で「暴力の呼び掛けの爆発的な増加」を確認されたとし、移民に対するリンチ(私刑)やその他の犯罪を支持するコメントが3900件以上あったと指摘。こうした暴力の呼び掛けの3分の2は、ヤクスリーレノン氏の投稿への返信の中で確認されたという。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ