コンピュータ半世紀の歴史をオンラインで学べる5サイトを厳選紹介
コンピュータ半世紀の歴史をオンラインで学べる5サイト

ここ半世紀にわたるコンピュータの歴史を振り返るウェブサイトは、その題材が身近であることもあり、ホームページの黎明期から国内外に数多く存在している。その多くは個人サイトであるが、近年ではコンピュータ関連の実物を収集する博物館がオンラインミュージアムと称し、収蔵品を紹介する目的でサイトを立ち上げるケースも増えている。今回はこうした中から、主に20世紀に起きたコンピュータ進化の歴史について、オンラインで学べるサイトを5つ紹介する。1990年代や2000年代に作られた個人サイトで現在も存続しているものは、質・量ともに法人運営のサイトに劣らないコンテンツを保有していることも多い。そうした個人サイトと法人運営サイト、それぞれの特色の違いを体感してほしい。

なお、サイトの選定にあたっては、オンラインでどれだけのコンテンツを閲覧できるかに焦点を当て、実在の博物館サイトは原則として除外している。また、SSL非対応のサイトは更新が長期間ない証拠として、今回の対象から省いているのでご了承いただきたい。

日本のコンピュータの歴史を製品と年表で見られる「IPSJコンピュータ博物館」

「IPSJコンピュータ博物館」は、一般社団法人情報処理学会(IPSJ)が運営する、1950年代から2000年まで約半世紀にわたる日本国内の歴史的コンピュータ、およびその開発に携わった人々に関する史料を集めたバーチャル博物館である。今回紹介する中では唯一日本発のサイトで、他のサイトではほとんど取り扱われない日本向けコンピュータの情報が充実している。対象はパソコンだけでなく、メインフレームやスーパーコンピュータ、さらには紙テープ・カード入出力装置などの周辺機器にも及んでいる。

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世界最大のコンピュータ博物館がオンラインで閲覧可能に「OpenCHM」

「OpenCHM」は、カリフォルニア州にあるコンピュータ歴史博物館(CHM)のコレクションをオンラインで公開しているポータルサイトである。開設は2026年でまだベータ版だが、開設から約30年の歴史を持つ世界最大のコンピュータ博物館が母体であるため、ボリュームは膨大で、写真のクオリティも高い。Apple製品やビデオゲーム、マウスやキーボードなどの特集が充実している。機械翻訳による日本語表示にも対応しているが不完全なため、ブラウザの翻訳機能の利用が望ましい。

製品のほかパンフやマニュアルも充実した個人サイト「1000BiT」

「1000BiT」は、ビンテージコンピュータおよびマニュアル、広告、雑誌を集めたイタリア発のサイトである。個人運営だがコミュニティの支援を得て約30年にわたって運営されており、データベースにあるパソコンは約2700台、パンフレットやマニュアルは約1万4千冊と大ボリューム。コンピュータは1970~1990年代のモデルが中心で、メーカー別、年別、国別、CPUによる検索が可能。サイトは日本語表示にも対応しており、トップページには日本語での資料を募集中である旨の表記がある。

解説文の熱量はお墨付きな個人運営サイト「Steve's Computer Collection」

「Steve's Computer Collection」は、カリフォルニア在住の個人が運営する、主に1970~1980年代のコンピュータを集めたサイトである。掲載されている台数は約150台と多くはなく、写真もメーカーの宣材写真がほとんどだが、それぞれに用意された熱量の高い解説文は博物館を名乗るにふさわしい充実ぶりで、コンピュータのスペックだけでなく、販売当時の時代背景なども併せて知ることができる。今では少なくなったフレーム対応サイトであるため、ブラウザの翻訳ツールがうまく機能しない場合があるのが難点である。

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かつてウクライナに存在した博物館のアーカイブ「It8bit Club」

「It8bit Club」は、ウクライナ・マウリポリ市にかつて存在したコンピュータ博物館のアーカイブである。1950年代から2000年代初頭までの合計500点以上のIT分野の展示品があり、本サイトはそれらをネットで観られるオンラインミュージアムとして位置づけられていたが、戦争によって博物館が破壊され、現在はサイトだけが残存している。更新は現在も続けられており、トップページには「近い将来、世界中のレトロコンピュータのコレクターや愛好家のためのプラットフォームとなるでしょう」との展望が記されている。

山口真弘 ITライター。PC周辺機器メーカーやユーザビリティコンサルタントを経て現職。各種レビュー・ハウツー記事をWebや雑誌に執筆。最近は専門であるPC周辺機器・アクセサリに加え、電子書籍、スマートスピーカーが主な守備範囲。著書に『ScanSnap仕事便利帳』(ソフトバンククリエイティブ)『PDF+Acrobat ビジネス文書活用[ビジテク]』(翔泳社)など。