東北大と保土谷化学、機能性有機材料の社会実装目指す共創研究所を設置
東北大と保土谷化学、機能性有機材料の共創研究所

東北大学と保土谷化学工業は、2026年6月11日、機能性有機材料の研究開発から社会実装までを一貫して推進する「モノづくりで持続可能な社会に貢献する共創研究所」を設置したと発表した。この研究所は、両者の知見と技術を融合し、持続可能な社会の実現に貢献する新材料の創出を加速することを目的としている。

研究所の概要と目的

共創研究所は、東北大学内に常設され、機能性有機材料の設計、合成、評価、用途開発、そして事業化までをシームレスに連携させる拠点として運営される。主な研究テーマとして、マイクロプラスチックや有機塩素化合物、特定PFASなどの微量有害物質の高感度検知技術の開発、および高耐久性を備えたデバイス材料の創出が挙げられる。これにより、環境モニタリングや次世代エレクトロニクスなどの分野で革新的なソリューションを提供することを目指す。

背景と課題

機能性有機材料は、光、熱、電気などのエネルギー変換や吸収・放出といった多様な機能を持ち、エレクトロニクス、ライフサイエンス、環境、インフラなど幅広い分野で重要性が増している。しかし、従来の大学の基礎研究から企業の応用開発へと段階的に進む手法では、市場の急速な変化に対応することが難しくなっていた。そこで、両者は基礎研究と事業化の距離を縮め、迅速な社会実装を可能とする体制を構築する必要があると判断した。

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体制と特徴

研究所の特徴は、企業人材をクロスアポイントメント制度を通じて大学の特任教員として迎え入れ、アカデミアと産業界の人的交流を促進する点にある。これにより、化合物設計から合成、分析・評価に至るまでの知見と技術を円滑に連携させるとともに、学内の複数部局・教員との協働を通じて横断的かつ迅速な研究推進が可能となる。設置場所は東北大学多元物質科学研究所南総合研究棟2の306号室で、設置期間は2026年6月1日から2029年5月31日までの3年間である。

主要な関係者

運営総括責任者には、保土谷化学工業筑波研究所長兼新規事業探索部の青木良和氏が東北大学特任教授(研究)として就任する。東北大学側からは、多元物質科学研究所の岡弘樹准教授が運営支援責任者、笠井均教授が共同運営支援責任者を務める。さらに、保土谷化学から加瀬幸喜氏、武井貴紀氏、金澤輝石氏が特任教員として参画し、東北大学金属材料研究所の芳野遼助教も加わる。

保土谷化学の中期経営計画との連携

本取り組みは、保土谷化学が2026年度から開始した中期経営計画「コード2030(CODE/CHORD 2030)」におけるオープンイノベーション推進の第一弾として位置付けられている。同社は1916年設立の素材メーカーで、有機合成技術を核に機能性色素や機能性樹脂、基礎化学品、アグロサイエンス製品などを手掛けてきた。今回の共創研究所を通じて、新材料の創出と事業創出を同時に進め、持続可能な社会への貢献を加速する方針である。

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