Appleは5月5日(現地時間)、同社が提供する音声アシスタント「Siri」のAI機能に関する誇大広告を巡る集団訴訟について、2億5000万ドル(約390億円)の支払いで合意する和解案を米国の裁判所に提出した。
訴訟の経緯
同社は、2024年6月から9月にかけて宣伝したSiriの新機能が、実際に消費者が購入した端末で利用できなかったことに対し、2025年3月以降集団訴訟を受けていた。2024年6月に開催された世界開発者会議(WWDC)で、AIプラットフォーム「Apple Intelligence」を発表。当時の宣伝では、同システムを基盤としてSiriを強化し、新端末でSiriがユーザーの個人的な文脈を理解するなど、高度な機能を利用できると謳っていた。
機能提供の遅れ
2026年にかけての間に、文書作成ツールや通知の要約、ChatGPTとの統合といったAI機能を段階的にリリースしたが、メイン機能として宣伝していた「アプリを横断して複雑なタスクを処理する機能」などの高度な機能は、2026年5月時点で提供されていない。同社は米国の広告監視機関である国家広告局(NAD)からの広告の修正要求を受けたことと、自社の開発の遅れを要因として、2025年3月、同機能の展開に対して「予想よりも時間がかかっている」と複数の海外メディアを通じて公式に認めた。それに伴い、2026年へのリリース延期を発表し、CMなどの関連広告も削除した。
和解の内容
同訴訟は、同社の開発の遅れと、それによって機能提供を延期した流れを経て、消費者が本格的に提起したものとなる。同社は今後、和解の対象となる米国の消費者に対し、端末1台につき基本25ドルを支払う。請求条件などの要因によって最大95ドルまで増減する可能性があるという。日本などの海外の消費者は補償の対象外となる。



