建設現場で働く職人が個人で開発したWebサイト「国会議事マップ」が、「便利」「個人でここまで作ってすごい」などと話題を集めている。このサイトは、国会での発言や本会議の投票記録などを横断的に検索・比較できるのが特徴だ。
個人開発の背景
運営者は、小さな建設会社を経営し、工事現場で働く職人でもある「中島」氏。けがで現場を離れた期間に立ち上げたという。余暇に個人で開発・運営しており、収益は目的にしていない。
サイトの機能
トップページの日本地図や郵便番号から、各選挙区の国会議事を検索できる。議事のページでは、国会での発言データや、本会議での各議案への賛否も確認できる。発言データは、国立国会図書館の「国会会議録検索システム」のAPIから原文を取得。米Anthropicの「Claude 4.5 Haiku」を使ったAI要約の生成も進めている。
データの現状
5月28日時点で発言データが掲載されているのは1736件にとどまり、プロフィール欄が「まだ整備中」と表示される議事も目立つ。投票記録は、賛否を中心に比較的広くカバーしている。
追加機能
税金・物価・子育てなどのテーマから国会での議論や議事の発言内容を確認する機能、政治ニュースを初心者向けに整理するコーナー、質問に答えて近い政策傾向の政党を判断する「投票マッチング」機能も備えた。
中立性の重視
特定の政党や議事を応援・批判する目的のサイトではなく、中立性を重視した姿勢を掲げている。現時点では広告を掲載せず、サーバー費や管理費は中島氏が個人で負担。クラウドファンディングの支援・管理手数料(100円)と任意の運営支援金を受け付けている。
開発の経緯
サイトやXでの説明によると、中島氏は10代の頃、無料レンタルサーバーなどで個人が簡単にWebサイトを作れるようになった当時、「自分でHTMLタグなどを少し勉強し、簡単なホームページを作って遊んでいた」経験と、AIの支援でサイトを開発した。
40代になるまで政治にほとんど関心がなかったが、会社経営を通じて社会保険料や税金、各種制度と向き合う中で政治への関心が芽生え、2025年に初めて選挙に行ったが、「最初は何を見ればいいか分からなかった」という。
その後、けがで現場を離れた療養期間中に「何か建設的なことができないか」と考えていたとき、Xで「裁判官マップ」の話題を発見。弁護士の田中一哉氏がAIを活用し、全国の裁判官のクチコミや評価を整理するために構築したサイトだった。「とても素晴らしい取り組みだ」と感じ、HTMLを独学した経験とAIの支援を組み合わせ、「政治に詳しくない自分だからこそ、同じような人の最初の一歩になるものを作れないか」と考え、療養期間中にサイトを立ち上げたという。
今後の展望
中島氏は平日は工事現場で働いており、帰宅後の夜以降や休憩時間に更新作業を行っている。中島氏は「正確性と中立性をできる限り大切にしながら、少しずつ改善していく」「無理のない範囲で、次の選挙まで続けていきたい」と述べている。



