政府は、高速通信規格「5G」の基地局整備を地方で加速させるため、新たな補助金制度を創設する方針を固めた。都市部に偏る5Gエリアの格差を解消し、地方でのデジタル化推進につなげる狙いがある。2024年度予算案に関連経費を計上する方向で、総務省が具体策の調整を進めている。
補助金の概要
新制度では、通信事業者が地方自治体と連携して基地局を設置する場合、整備費用の一部を国が補助する。補助率は最大で半額程度を想定。対象は人口密度が低く、採算性の観点から事業者が単独で整備しにくい地域に限定する。総務省は2024年度中に制度を開始し、2025年度までに全国の主要エリアで5Gを利用可能にする目標を掲げる。
背景と課題
5Gは高速・大容量通信が可能で、自動運転や遠隔医療など先端技術の基盤となる。しかし、基地局の整備コストが高く、収益が見込みにくい地方では普及が遅れている。総務省の調査では、2023年3月時点で5Gの人口カバー率は都市部で90%超だが、地方では50%未満の地域もある。この格差が、地方でのデジタル化の障壁となっている。
政府は2023年6月に策定した「デジタル田園都市国家構想」で、地方での5G整備を重点項目に位置づけている。新補助金はこの構想の具体策の一つで、総務省は2024年度予算の概算要求に100億円程度を計上する見通し。
今後の見通し
新制度の導入により、通信事業者の負担軽減と地方自治体の取り組み促進が期待される。一方で、補助金の効果を最大化するには、自治体ごとの需要や地形に応じた効率的な整備計画が求められる。総務省は今後、自治体向けのガイドライン作成や、事業者との協議を進める方針。
専門家からは「補助金だけでなく、基地局の共用化や規制緩和など、総合的な施策が必要」との指摘もある。政府は、2025年度以降も継続的に予算を確保し、地方の5Gカバー率を2020年代後半までに90%以上に引き上げる目標を掲げている。



