総務省は5月12日、ふるさと納税制度において全国の地方自治体が各仲介サイトに支払った手数料の実態調査結果を公表した。自治体が支払った総額は寄付総額の21.3パーセントに相当する2559億円に達し、返礼品の調達や送付にかかる費用を除いた実質的な手数料は11.5パーセントにあたる1379億円となった。大手事業者が手数料の引き下げに応じないと窮状を訴える声もあり、総務省は「10パーセント超は高いと言える」との見解を示し、業界団体を通じて引き下げを要求する方針だ。
調査の概要と結果
調査は全国の1788自治体を対象に、2024年度の実績について回答を求めた。仲介サイトに支払った目的別の内容まで踏み込んで調べるのは初めての試みとなる。寄付総額1兆2728億円のうち、94.5パーセントにあたる1兆2025億円が仲介サイトを経由していた。仲介サイトへの支払総額から返礼品の調達と送付にかかる費用を除いた1379億円が仲介事業者の収入となり、域外に流出しているとした。内訳は事務費が1166億円、決済費用が161億円、広報費が52億円だった。
事業者への引き下げ要求
事業者に手数料の引き下げを求めた自治体からは「全国一律の料金体系で個別交渉は受け付けないと取り付く島もない状況」「必要なければ契約しなければよいという対応をされた」などの声が寄せられ、手数料の詳細も開示されないなど事業者優位の構造が浮き彫りとなっている。林芳正総務大臣は12日の閣議後会見で「寄付金は公金。強い問題意識を持っている」と述べ、仲介サイト運営事業者でつくる「ふるさと納税協会」などの業界団体や各事業者に対し、月内にも手数料の引き下げを要求する考えを示した。
市場構造と今後の対応
ふるさと納税を巡り、仲介事業者の上位4社が寄付総額の9割を受け入れている寡占状態にある。総務省は各社の手数料は参入当初の3~5パーセントから10パーセント前後に上昇していると指摘する。総務省は昨年10月、各事業者のポイント還元競争によって寄付の募集費用が高止まりしているとして、ポイント付与を禁止。仲介サイトを運営する楽天グループが反発し、国を相手に訴訟を起こす事態となっている。総務省は「手数料の引き下げにはつながっていない」としてさらなる見直しを進める。



